2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会と東京都は19日、大会期間中の渋滞対策の策定に向け、7~8月に実施する道路交通量の抑制テストの内容を発表した。選手村や競技会場近くにある首都高速道路の入り口4カ所を終日閉鎖する交通規制などで、都心に流入する自動車を減らす効果を検証する。公共交通機関の混雑も緩和するため企業にテレワークなどの協力を呼び掛ける。
首都高などの交通規制は開会式一年前の7月24日と、交通量が多いと見込まれる金曜日の26日に実施。入り口の閉鎖のほか、首都高など11カ所の料金所で開放するレーン数を制限する。混雑しやすい高速道の路線付近の入り口50カ所も交通量に応じて閉鎖する。
一般道では環状7号で、午前5時から正午まで都心方向の青信号の時間を短縮する。
企業へのテレワークや時差出勤などの協力の呼び掛けは、7月22日~8月2日、8月19~30日を集中取組期間とし、夏季休暇や有給休暇の取得の奨励や物流の抑制も求める。
大会期間中の新たな渋滞対策として、新国立競技場と施設が集中する臨海部の2カ所で一般道に専用レーンを設置することも明らかにした。複数車線のうち一車線で大会関係車両以外の通行を禁止する方針だ。
<東京五輪の渋滞対策> 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会や東京都は、大会期間中に関係者や観客が競技会場までスムーズに移動できるよう、首都高速道路の交通量を通常時の休日並みに減らす目標を掲げている。テレワークや時差出勤といった企業の協力による交通量削減に取り組むほか、首都高の料金を日中中心に千円引き上げる「ロードプライシング」の導入が検討されている。
出典:2019年6月20日東京新聞朝刊